新ひだか町では自治基本条例の制定を目指してこのほど素案を公開し広く町民に意見を求めています。
自治基本条例は全国的な動きもあり、新ひだか町では市民が積極的な関わりをもって進めているのです。
道議会でもその動きが話題となっていますが、いくつかの点で心配される部分もあり、新ひだか町の素案を検証したところ、いくつかの疑問や異論があり、一町民としてメールで意見を伝えましたので、以下ご紹介します。
(1)改正規定に特別議決(出席議員の3分の2以上の賛成など)を定めることは、地方自治法第116条に抵触する恐れがあることと、過半数で制定した条例を3分の2でないと改正できないは矛盾が生じないか。
(2) 住民投票(町民投票)について
a, 投票資格における町民定義について:実際に居住する人以外にも町民として認めることで、投票権(参政権)を与えることにならないか。
b, 外国人の扱い(永住者、特別永住者) 外国人を認めることは事案によって憲法違反となる恐れがある。憲法では主権は国民にあるとしているので、国家主権にかかわる事案に外国人がかかわるのは憲法違反の恐れが強い。(例:基地問題(安全保障)、国民保護、治安・防災、教育など)
c, 年齢制限(20歳・18歳ないしは16歳の場合もある)未成年者には義務の免除 と権利の制限があり、法的行為能力に制約がある。権利のみを認めるのはおかしい。
住民投票には特別重要な事案がかけられるので、結果に責任の負える成人年齢(20歳)とすべきである。
d, 結果尊重:首長、議会選挙同様の投票資格とするのならば結果の尊重は理解できなくはないが、投票資格に問題がある中での結果尊重は民主主義の根幹を揺るがすものと考える。
(住民投票に関する規定は別に条例を定めることとなっていますが、上記のような問題点があることを町民にもアナウンスするべきだと考えます。)
(3)町民の責務について
”「責務」とは「義務」のように強い意味合いのものではなく” との説明がありますが、一般に「責務」とは責任と義務を伴うものであり、町民にそれを課するのは荷が重く、無理が生ずると考えます。(例えば、町内会での強制的な使役などの考えが生まれないか)
(4)町長の「就任時の宣誓」について
首長が条例を遵守することは当たり前のことであり、「宣誓」することの意味はあるのか。首長の個性を否定するものとならないか。
(5)町民の定義について
居住者と非居住者を一括して「町民」と定義することは権利・義務の関係から問題があるのではないか。
(地方自治法第10条は「住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の約務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う」と定めており、住民とその属する普通地方公共団体との間には法的な権利・義務の関係が存在するが、非居住者には存在しない。)