北海道新聞に地方議会の活性化のための提言があり、有権者のひとりから私の意見を求められました。新聞の提言は、無投票当選が多くなっている昨今の地方議会選挙の問題に対して、「立候補者数から1を引いた数を定数」とするというもの。無投票なら立候補しようとか、選挙にならないために立候補予定者間で出馬を調整することにたいする防止策のひとつだ。さらに、道議会で問題となっている、一票の格差是正による札幌市の議員集中という課題に対して、「政令市住民には比例代表制」または、「ふるさと投票制度」の導入というのも。
まず、「定数マイナス1」に関しては、必ず選挙を実施するということになるが、紙面でも言及しているように「志の高くない議員が生まれること自体は止められない」という結果となり、地方議会の活性化という目的のためにはどうかと考えます。それ以上に「なぜ議員になり手が少ないのか?」を考えるべきだと思います。新聞の主張によく見られますが、議員の特権や優遇にばかり批判が集中することで、その魅力やステータスが低くなる傾向にあること、さらに報酬等の裏付けも曖昧では率先して議員になろうとする者が減ることは当然の流れだと考えます。PTAの役員になり手がいなくて苦労する話を良く聞きますが、同じような傾向にあるのではないでしょうか。有権者がその実態を認識し、議員をボランティア的な位置づけとするのか、あるいは専業としての地位を確保するのか、報酬のあり方を含めて両極端な選択が迫られているものと考えます。
続いて、道議会の一票格差問題。新聞では議員定数削減と合わせて議論が進んでいないと批判がありますが、私は削減ありきの議論には明確に反対します。なぜなら自分の選挙区において、減員となることが地域の声を道政に反映させることに何も効果的ではないと考えるからです。これも民主主義のコストだと考えています。また一票格差の解消は現在の憲法下では避けて通ることはできず、選挙区を維持して定員を調整するのではなく、5万人にひとりの議員の基本を維持し、選挙区の区割りを見直すしか方法はないと考えます。