平成19年度より実施している「全国学力学習状況調査」(学力テスト)は、24年度より国語、算数・数学に加え理科を追加、さらに全員参加に戻すことに関して、8日付け北海道新聞は異議を唱えている。

私は、道新の意見に真っ向反対し、学力テストの必要性を主張する。北海道新聞の主張は「教育効果への疑問が根強い、学校の序列化に繋がる、統計に必要なら毎年でなくても良い」というが、現実問題として、過去5年間北海道の子ども達の学習到達度は、全国最下位クラスを維持したままという状況をどう考えているのだろうと思う。待ったなしの対策が急がれるというのに、その効果が低いとか学校の序列化を心配している場合だろうか。少しの手がかりであっても、それを探り出し対策を考えることが今の北海道教育に求められていると私は考える。そして、忘れてはならないことに、この学力テストは試験と同時に様々な学習環境の調査を行っている。例えば、授業の理解度、家庭学習の時間や宿題の実態、夏冬休みの補習授業の実施状況などを調査することによって、学習到達度が低い要因を客観的に検証し、対策に役立てている。だからこそ、悉皆調査の必要性があるのだし、対策がどれだけの効果があったのかを検証するためにも毎年行う必要があるのだ。毎年新しい子どもが小6・中3になる(当たり前ですが)のだが、本人や親からみれば、じっくり対策を考えるなんて言っていられるはずはない。

また、一部を非公開にして経年比較することに対して、「『分かる喜び』を体験することが教育の目的であるはずだ」というが、それは普段の授業や試験で十分に行えるものである。そもそも国が抽出の実施に移行したにも関わらず、道内で札幌以外の全市町村が悉皆調査を実施した事実とその意向に関して、道新はどのように受けとめているのかが全く触れられていない。バランス感覚に欠ける一方的な主張だと私は感じた。そして、まとめに「教師の指導と子供たちの理解に役立つかどうかを基準に改善を図るべきだ」と提言しているが、小5・中2の実施という1年前倒し案以外、全く具体的な提言がなされず、単なる批判に終始していると私は感じた。暗に組合の主張を擁護しているのではないかと勘ぐってしまったほどだ。

新聞の主張への批判に集中してしまったが、私は道議会において、今後も学テの調査結果を基に議会から学力向上・教育改革を進める覚悟であることを宣言する。