笑えないジョークを聞きました。
我が国の向かう道は、従来型の経済成長で富や幸福を追い求めるべきなのか、それとも低成長を前提とした価値観や生活様式の見直しを考えるべきなのか、ブータン王国の国民総幸福量 (GNH) も参考にしつつ、人の生き方について考えさせられる問題提起です。
ある田舎町。漁師が小さな網だがなんとも生きのいい魚をとってきた。
それを見たアメリカ人旅行者は、
「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」と尋ねた。
すると漁師は
「そんなに長い時間じゃないよ」 と答えた。
旅行者が
「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」
漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと思った。
旅行者は、
「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」
漁師は、
「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと 遊んで、女房とシエスタして。
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾い て、歌をうたって…ああ、これでもう一日終わりだね」
旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみに アドバイスしよう。いいかい、
きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべき だ。それであまった魚は売る。お金が貯まったら大きな漁船を買う。
そう すると漁獲高は上がり、儲けも増える。その儲けで漁船を2隻、3隻と増や していくん だ。やがて大漁船団
ができるまでね。そうしたら仲介人に魚を 売るのはやめだ。自前の水産品加工工場を建て、そこに魚を入れる。
その頃 にはきみはこのちっぽ けな村を出てメキソコシティに引っ越し、ロサンゼ ルス、ニューヨークへと進出し
ていくだろう。きみはマンハッタンのオフィ スビルから企業の指揮をとるん だ」
漁師は尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「20年、いやおそらく25年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」 と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
「それで?」
「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっ くり寝て、日中は釣りをしたり、
子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過 ごして、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をう
たって過ご すんだ。どうだい。すばらしいだろう」