みんなの党が今国会で、首相公選制に準じた法案の提出を考えているという。しかも、橋下大阪市長と同政策の連携を目指しているというのだ。議院内閣制という憲法の壁を、衆議院選挙の際に拘束力をともなわない「参考投票」を行うことで、それに近づけようというものだが、全くの「小手先」の改革、人気取りをもくろむ「大衆迎合」そのものだと私は考える。
有権者は選挙で議員を選ぶことで、その議員が所属する政党の政治(政策)を選択する、間接的にだがリーダーを選ぶことはできるのであり、ブームや噂に左右されるなど直接投票の危なさを回避する方法として優れていると私は考える。近年は首相がころころと替わる事の問題点も無いわけではないが、与党としての責任を果たせるのなら良いわけであり、与党内がしっかりとまとまっているのなら長期安定政権も十分可能である。要は議院内閣制の制度の問題ではなく、既成政党のあり方、求心力の無さ、挙党態勢が摂れないことが問題なのだと私は考える。
いずれにしても、目先の人気のや世論にこだわる劇場型政治の危なさ、大衆迎合が大手を振る政治風土に危機感を持つ。しかし、結局は政治家ひとり一人が揺るぎない信念を持った政治をするしかないのかもしれない。