外交ジャーナリストの手嶋龍一氏による基調講演では、北極海航路の可能性に触れながら、外交問題を中心に話が進められた。
中でも気になったことに、TPP交渉参加をめぐって「野田首相は、外交上リーダーとして、もっともやってはいけないことをした」と厳しい口調で語った。それは、国内の賛成・反対派それぞれに二枚舌を使ったこと、そんなリーダーは海外では相手にされないということだ。私も全く同感。
また、マスコミ報道に関しても、国際的な重要な出来事や世界の動向を正しく伝えず、レベルの低いどうでも良いようなことをニュースとして取り上げていると苦言を呈していた。今米国はアジア太平洋地域を米国の安全保障上の「最重点地域」と捉えるよう大きく舵をきったことは、我が国の外交、経済において最重要なテーマだと認識するべきだが、ほとんどニュースになっていないとのことだ。
最後に、インテリジェンスとインフォメーションの違いについて、情報をいかに処理し、的確な判断をするかが、戦略上重要なことだとも述べられた。