7年前の郵政解散・総選挙の結果は見事なまでの自民党圧勝に終わり、郵政民営化路線が決定した。しかし、4月27日の郵政見直し法案成立で、その民営化が方向転換した。私は当時小泉首相のやりかたに反対したが、選挙の結果を無視するわけにはいかない。自民党内では中川秀直元幹事長が「方針転換は総選挙で国民に説明してからだ」と発言したと言うが、それが筋であり、自民党として国民に説明する責任がある。
ワンイシューの選挙であったとしても、結果として国民の選択は反故にされたかっこうだ。だが、もともと郵政民営化は、国民が切望したことではなかったのではないだろうか。これこそが劇場型政治といわれる危なさであり、今もその流れは変わらない。