今日5月5日で、国内の原発全てが停止します。3.11大震災による福島第一原発事故以来14ヶ月後のことになります。現在政府は逼迫する国内の電力需給を鑑みて、その再稼働の準備を進めていますが、いかにも付け焼き刃的な安全基準の設定や第三者による規制・監視体制の不備などがみられ、一部原発立地自治体も含めて、国民世論は再稼働を認めるものにはなっていません。
今日までしか言えないことがひとつあります。それは、再稼働が認められないのに、なぜ定期検査まで稼働が認められてきたのかということなのです。想定外の事故が起きたことで、これまでの安全基準では安心できないということなら、なぜ浜岡原発のように直ちに止めないのでしょうか、定期検査までは稼働が許され、定期検査後に稼働が許されないということに論理的な整合性はないと私は訴えてきました。しかし、その理論も今日で終わります。全国の原発が止まってしまったら、それからは「原発ゼロ」から話を始めなければならず、これまで多くの国民が気が付いていない「全ての原発を直ちに無くすることは不安」という意識で稼働を認めてきたことの裏付けが無くなってしまうからです。
安全神話が崩れ、危険がゼロではない原子力発電を、今後どう考えるのか。再稼働を緊急避難措置として位置づけ、将来的な原発の存廃議論とは分けるべきだとの考えもありますが、私も同感です。再稼働に向けて、もちろん電気が足りないから安全基準をないがしろにしても良いというのではありませんが、どこかで安全の線引きをしなければならないことを念頭に議論をしていきたいと思います。
勿論、私は新規の原発建設は認めるべきではないと考えています。