自衛隊が統合防災訓練を行った際、東京都の区役所で充分な協力が得られなかったとの報道を受けて、私はブログや自衛隊駐屯地での祝辞で「自衛隊に対する理解がまだまだ足りない」と述べた。後日その報道の一部が誤報だと分かり謝罪したが、26日の北海道新聞では、陸上自衛隊が道内の離島で有事訓練を計画していることで、小銃を携行することも問題にし「有事と防災は別ものだ。境界を曖昧にしたまま”軍事訓練”に住民を巻き込んではいけない」と述べている。
これでは、自衛隊が理解されているとはとてもいえない。自衛隊の本来任務は日本防衛の他、国民保護や災害派遣などが含まれている。小銃を携行することで特別な思いや恐怖を感じるのなら、警察の拳銃はどう解釈するのだろう。この主張の根底には、自衛隊は危険な存在と見なす思想が未だに残っている証ではないだろうか。「危険を顧みず、身をもって職務の完遂に努める」という誓いの基に日々訓練に励む自衛隊員に、もっと敬意を表しても良いのではないだろうか。