新聞に「ネット時代の新聞の使命」との主張があった。動物の一頭が驚いて逃げ出すと、訳も分からず仲間の動物は大挙して逃げ出したりする「スタンピード現象」を例に、ネットによる不確実な情報の伝搬を問題としているが、一方でネット上での新聞社や通信社発の情報を得る人は増えているという。つまりネット上の情報は玉石混合で信憑性が危ういからこそ、利用者は信頼に足る情報を求める。さらに、権力監視の使命を果たすことができれば新聞に未来はあると言っている。
権力監視の役割は否定しないが、何でも斜に構えてものを捉え、批判こそがその役割だと思っている節はないだろうか。また、いたずらに政治不信をあおる風潮はないだろうか。記事の表現には、明らかに偏向的な報道だと感じることもあるのだ。
私は、新聞はその媒体が紙か電子かに限らず、信頼性と引き替えに新聞社発の情報の価値は揺るぎないと考える。だからこそ、バランスを欠かさない視点に立脚した報道であることを切望している。
昨今報道の媒体は確実に変化の兆しが表れ、これからはネット情報の価値と課金方法に課題があるとされている。かつての「レコード屋」が「CDショップ」となってしまったように、「新聞社」が「報道社」となる日がくるのだろうか。