朝日新聞から:今ごろの中高生の世代を「さとり世代」というそうだ。東京都下の高校生の例では、普段の行動範囲は半径15km圏内。受験も近隣の私大をめざし留学には興味を示さない。なぜなら、今の生活に心地よさを感じているからだという。欲しいものはインターネットで手に入り、実家にいれば親のサポートを受けられるから、そして「あふれる情報を見極めてから行動に移すのが、若者スタイル」なのだそうだ。
私が高校生の頃(はるか40年も前)「北海道が好きだから地元の大学に進学して、就職も北海道で」と話していたら、当事流行っていたモーレツ社員の典型のような近所のおじさんが、「そんな狭い考えじゃダメだ。男は仕事のためには全国どこでだって働く気概が必要だ!」と活を入れられたことを思い出した。若者の内向き思考は今に始まったことではないかもしれないが、海外へ留学する学生(5万8千人)がピーク(’04)の2/3程度だという現実を聞かされると、グローバル化といわれる時代に日本の将来は大丈夫なのかと不安になってしまう。
ネットやスマートフォンの普及であらゆる情報が簡単に手に入り、発信もまた容易な時代となった。自己主張ができることでそれなりに自己満足はできるが、それはあくまでも匿名性の高い”安全地帯”にいての発言が多く決して責任を伴うものばかりではない。バーチャルで事が足りたと思うことは大変危険なのことなのだと感じる。実際に見て触れて人と会話をしてこそ感じ、得られることがあるのではないだろうか。若者はコミュニケーション能力が不足していると言われることとも、この情報収集と発信手段の変化に関連があるように思える。
就活解禁と選考時期が繰り下げられたことで、留学生のハンディキャップも少なくなるといわれていることもあり、若者には”外向きの思考”になって大いにリアルな体験をしてほしいと願っている。
少し話が逸れるが、議員の海外研修についてその存廃を議論する中で、「今どきインターネットで情報は手に入る」という廃止論があったが、私は見て、聞いて、体感することで「プラスアルファ」を得て、それを政策に活かそうと考えているので海外調査は止めない。