集団的自衛権の議論において法政大学の田中優子教授は、「日本を守る」とは「何を」守るのかと疑問を投げかけているが、この主張は全く賛同できない。田中氏は、守るべきものは「国土」と「人」だと考えていて、一方で自衛隊は国民の生命、財産を守るのではなく、国の独立と平和を守るのだという意見があるが、「その考えなら、国民の生命や財産を投げ出しても国の独立と平和を守るべきであるということになる」と言っている。ずいぶんと偏った見方だと私は思う。独立があるから国民の平和があるのではないのだろうか。そもそも国家の条件とは「領域(領土・領海・領空)」・「人民」・「主権」が存在して成り立つのであり、人民の命と財産が守られれば「主権」は無くても良いと言うことにはならない。
更に、「多くの国民が死に、国の独立と平和がだけが残ることに意義があるのか・・・・自衛とは戦争を回避することでしかあり得ない」と述べている。多くの国民が死なないために、抑止力としての軍事力を備え、いざというときは国民のために戦うのだ。田中氏の主張では、植民地となっても命さえ守られれば戦うべきではないということになるが、私には理解できない。