先頃開かれた「北海道農林水産業・地域の活力創造協議会」の開催状況についての説明が行われた。
参加団体からは、農業者自らの6次化、多面的支払制度導入、中間管理機構の賃貸・土地改良支援、新品種開発強化、ハラルフード研究支援などの提案があったと報告。
続いて、内閣府が検討している「農林水産業・地域の活力創造プラン」の策定に向け検討されている、「経営所得安定対策」「米の生産調整制度の見直し」「日本型直接支払制度」に関する説明があった。
意見交換では、「攻めの農業との言葉で農業に対する見通しの明るさを強調しているが、食料自給率40%の国で輸出を全面に押し出すこと自体がおかしい」「戦後の日本農業は自作農を基本として来たが、その維持は大丈夫なのか」などの意見が出され、農政の大転換に対する不信感が蔓延していた。私は、やる気のある農家がのびのびと営農し、そのことで競争力を兼ね備えるという方向性は否定しないが、現段階のアナウンスでは、農業が生き馬の目を抜くような環境、つまりいきなり激しい競争と淘汰の荒波に放り出されるような不安を覚える。これでは農業に夢を持ち、楽しむことなどできない。安心をいかに形で表していくのかが、今後の重要な要素だと感じる。
藤沢澄雄・Sumio Fujisawa