「人々は政治の世界が社会をちゃんと代表していない、社会からの言葉に耳を傾けていない、と感じています。」(朝日から)

 統一地方選挙前半の、道府県知事と議会、政令市長と議会議員選挙の投票日が明日となりました。朝日新聞に、昨今の低投票率に対する新たな視点として、仏国人の民主主義研究者の興味深いインタビュー記事があった。
 (私なりに)要約すると、昨今は選挙で選ばれた為政者だけでは政治はうまくいかなくなった。政党が民意をくみ取ることができていない。それは民意の多様化と議会が真に議論する場ではなく賛成と反対を演じる場となったからだ。だから、政府を牽制したり監視したりするためにマスコミも含めて「カウンター・デモクラシー」が必要なのだと述べている。
 そして編集者は「選挙で棄権が増えるのは、有権者の意識の問題よりも代表制に問題をはらむからかもしれない。原発問題や特定秘密保護法、憲法改正などで、われわれの意思を代表しているのだろうか?」と問題を提起したいようだ。
 まるで 政治が自分の思い通りにならないことを「民意と違う」と言い、「だから選挙以外の方法で結果を変えるしかない!」と言いたいように思えてならない。しかしこの研究者の考えとは、「代議員」と「カウンター・デモクラシー」の「相互の補完」が必要だという事なのだと私は思う。

 明日の選挙はその意味からも絶対に棄権などしないで、自らの意思を投票という行動に表してほしい。選挙の結果が必ずしも自分の思い通りとならなくとも、一人ひとりの参加意識が政治をより良く変える一歩となると、私は信じている。