今話題のTPPとは?との問いにお答えします。

環太平洋経済連携協定で、現在アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイ、ペルー、ベトナムの8カ国が貿易の自由化に向けて交渉中のもの。基本的にはすべての関税を撤廃するもので、EUのような物、人、知的財産すべての交流を自由に行なうというものです。これまでは、EPA/FTAという二国間での貿易協定が主流でしたが、それを包括的に行なおうというものです。
我が国は鉱工業製品を中心に輸出産業にとって有利となる一方で、国民の食料としての農業が大打撃を受けることは明らかであり、農業界は猛反発しています。税金で農業をどこまで保護するべきか、それが可能なのか?などの議論が行なわれています。政府民主党ないでも、野党自民党内でも賛否両論があるのです。
11月13日より横浜で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に合わせて、菅首相が突如参加の方針を述べたいとの意向を示したことから、大問題となっています。

(私見)
この背景には、韓国が積極的に米国、EUなどとFTAを締結し、工業製品の輸出において日本のそれが太刀打ちできないほどの優位性を確保していることから、輸出産業界を中心に一刻も早い”開国”を求めているのです。
一方で、農業問題は深刻です。食料自給率40%と先進国では極端に低い状態で、米国や豪州との農産物の自由化がなされるならば、我が国の農業は間違いなく壊滅的な打撃をうけます。本年度より試験的に始まった戸別所得補償制度は輸入自由化によって損失をうける農家所得を補償するというものですが、莫大な経費がかかることと、努力が報われず農家のやりがいが削がれるとの批判が上がっています。韓国では、米国とのFTA締結の対策として9兆円もつぎ込みましたが、さらに2〜3倍の予算が必要だといわれています。我が国は2.5兆円の農業予算、韓国の以上の数十兆円の対策が可能でしょうか。

また、農業に隠れがちですが、知的財産(資格等も含まれる)の共通化や外国人労働者の流入が予想されます。