日本経団連は、昨今問題となっている大学新卒者の就職活動の長期化是正のために、採用広報を3年生の12月からと決めた。
 しかし、従来に比べて2ヶ月程度遅くなるだけ、しかも筆記試験等は4年生4月と変わらず、効果は限定的と言われている。しかも、加盟はわずか838社、強制力の無い紳士協定、非加盟の外資企業に優秀な学生を採られるとの懸念も聞かれる。企業のモラルをどこまで期待していいのだろうか。
 企業の活動に行政があまり口を挟むべきではないが、結果として学生が長期間の就活に勢力を注ぐあまり、学力が低下し、海外留学も嫌われ、内向き思考になっているといわれる。日本の将来を考えたとき、これを放置しておくわけにはいかない。
 道議会でも、就職内定率の伸び悩みなども話題となっており、今後ジョブカフェやジョブサロンの役割は更に大きく、来年度は新たな展開を計画中とのことで、その成果を大いに期待したい。

 ところで、私は零細企業の経営者のひとりとしては、内定率の低下以上に、ミスマッチ解消が最大の関心事。道内でも介護、食品加工、農業など、人手不足が問題となっている分野も多く、新卒者はその気になれば勤め先は見つかるはずなのに、「就職氷河期」との話題ばかりだ。
 個人的には、学生が公務員や大企業という“寄らば大樹の陰”思考ばかりではなく、起業や小さな会社で個人の能力を発揮を追求するなど、もっと野心をもった若者が増えてほしいと思うのだが、こういう発想が、年寄りくさいのだろうか?

北海道議会議員 藤沢澄雄